強引上司と過保護な社内恋愛!?
個室に入っていると、何名かの女子が話しながらトイレに入って来た。

「さっきの人が噂の?」

そうそう、ともう一名の女性が肯定する。

「給湯室で桧山さんに迫ってたらしいよ」

ええ?!と驚きの声が上がる。

「大人しそうな顔して着任早々やりますねぇ」

鼓動が大きく跳ねる。

話しの内容からすると何だか私の事を話しているような気がしなくもない。

声の感じからすると、恐らく先ほどの感じの悪い営業企画部の女子だろう。

「しかも飲み会では酔い潰れるまで飲ませたらしい。何するつもりだったっつーの」

「うわー澄ました顔してやる事エグいっすねー」

「資材管理部ではミスパーフェクトなんて呼ばれたけどさ、案外厄介払いされたのかもしれないね」

…これ、完璧私の事じゃん。

便座に腰掛けながら確信する。

「桧山さんもおかしな女に付きまとわれて可哀相」

「まあ、それもハンサム税ってとこですかね」

女子達は高笑いする。

打ち合わせ怠いわー何つって、営業企画部と―――思われる―――女子達はトイレから出て行った。

私は便座に腰掛たままビシっと固まる。

恐るべし…女の噂話し…。
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