強引上司と過保護な社内恋愛!?
振り向くとオコゼ顔の佐々木さんが出勤してきたところだった。

「今日は一緒に出勤かぁ!」

空気を読んでほしい…

私は射るような鋭い視線を向けるとオコゼ顔はビクリと固まった。

「おやおや、佐々木さんジェラシックパークですか?」

桧山さんはいつものようにヘラヘラ笑って誤魔化す。

「いつも桧山がいずみんを一人占めしてるからなぁ」

佐々木さんはギャっギャと笑う。

朝からテンションが高い。昨日は接待じゃなかったようだ。

「ですが佐々木さん、それはセクハラですよ?」

桧山さんはニッコリ凄味のある笑みを浮かべる。

「俺も最初は一緒になって面白がっていましたけど、彼女は本当に精神的な苦痛を訴えています。このままでは俺たちは纏めてコンプラ110番に通報されかねません」

コンプラ110番とは人事部が開設したセクハラ・パワハラ・モラハラなどのあらゆるハラスメントに対応する相談ダイヤルだ。

「そんな…いずみん…俺達を…俺達を嫌いにならないでくれ」

オコゼ顔の佐々木さんは青い顔をして首をプルプル横に振る。

「そんな、皆さんよくしてくださるのに、嫌いになる訳ないじゃないですか」

AKBか!

思わずツッコミそうになりながら、苦笑いを浮かべた。
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