強引上司と過保護な社内恋愛!?
まさか…!本当に倒れていたらどうしよう!!

よからぬ妄想に駆りたてられて、闇金の取り立ての如く執拗にインターフォンを鳴らす。

暫くすると部屋から物音が聞こえて来た。

『…はい』

桧山さんの声だ!

鍵を開ける音がして、ドアがゆっくり開いた。

「た…田母神?」

桧山さんは大きく目を見開いた。

「あ、あの…」

…と、口を開いた瞬間にバタンとドアを閉められる。

え?うそ…本気で入室拒否?

「ちょっと何締めてんのよ!開けなさいよ!」

午後休―――しかもサボり―――まで取って来たのに締めだすなんてあんまりだ。

私はムキになってチャイムを連打する。

鬼畜の桧山三か条も伊達じゃないな、と思った。

本当に家まで押しかけるアグレッシブな女っているんだ。

しかも、自分がそうなるとは夢にも思わなかった。

騒ぎ立てると、再びドアがそっと開いた。

その隙をついて私はドアに足を挟み込む。

隙間に身体を滑り込ませ、半ば強引に部屋へ上がり込んだ。

「お疲れ様です。桧山さん」

そして追い出される前に後手でドアを閉める。

「どうして…ここに?」

桧山さんはア然としている。

スウェットにトレーナーを着ていて寝巻き姿だ。

いつも整った髪はボサボサで、顔はやつれ青白く、生気がない。

「お見舞いに来ました」

私は気まずさを押し隠すようニッコリ微笑んだ。
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