強引上司と過保護な社内恋愛!?
「桧山ぁぁぁ~俺たちを…俺たちを置いて天上界へと行ってしまう気かぁ?!」

オコゼ顔の佐々木さんが桧山さんに噛り付きつく。

暑苦しくてこの上ない。

因みに天上界とは2フロア上にある海外事業推進部を指す。

我が社でも生え抜きのエリートのみが属する部署だ。

同期の真奈もその一員である。

「皆さんのご活躍を天上界から見守ってますよ」

既に天上人目線の発言にちょっとだけイラっとする。

「いやだぁぁ!桧山行かないでくれぇぇ!」

いいな、佐々木さん…

私もあんな風に思いっきり縋れたらいいのに。

「お前が抜けたら、その分の売上を誰が補うっていうんだ?!」

…動機は不純だけどね。

「佐々木さん」

桧山さんの後任である五十嵐さんが、宥めるよう佐々木さんの肩にそっと手を置いた。

「下請けとキャバクラに行っていた時間を仕事に当てれば、桧山の穴なんて直ぐに埋められますって」

五十嵐さんも優しそうな顔をして結構言う。

そんなやり取りを見て失笑していると、桧山さんと視線がぶつかる。

私は慌てて視線を逸らした。

仕事をしようとパソコンのログオフを解除していると桧山さんが「あの、田母神」と遠慮がちに声を掛けてくる。
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