強引上司と過保護な社内恋愛!?
「首尾はどうだった?」

出社して来た五十嵐さんに早速声を掛けられる。

「まあ、顔を見れば大体わかるけど」

五十嵐さんは口の端をあげて笑う。

私は無言のまま左手の甲を上にあげてブリリアンカットのダイヤモンドリングを見せる。

うっそ!と、大人の五十嵐さんが思わず声をあげた。

「4000キロ追っかけて取っ捕まえてきました」

私はシレっと言ってのける。

「あのプレイボーイを落とすとは…流石ミスパーフェクト…」

五十嵐さんは信じられないと言わんばかりに目を大きく見開き首をゆっくりと横に振る。

この後、おじさま達にバンザイ三唱されそうになって必死に止めたのはまた別の話し。


ちなみにバリ滞在中に互いの両親にもテレビ電話で婚約を報告済である。

目的を達成するにはまず外堀から埋めていくのが定石だ。

年老いた茨城の両親はイケメンのあっくんに大喜び。

帰国した際には是非挨拶に来てほしいと熱烈大歓迎っぷりだった。

こうして一家総出であっくん補獲包囲網を張り巡らせていく。

問題は…あのおっかない桧山父だ。
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