強引上司と過保護な社内恋愛!?
「なんだよ、それ。相変わらず空気読めねぇな。食べさせてもらったんなら普通食べさせてあげるのが人としてのマナーなんじゃないのか?!そもそも、たもがみ…」

文句を言ってうるさいので、鶏もも肉を口に突っ込んで黙らせた。

「美味しい?スターリン」

私はここ一番の可憐な笑みを浮かべる。

桧山さんだって男だ。女子に笑顔を向けられて悪い気はしないだろう。

桧山さんは口元を押さえながら鶏もも肉を咀嚼し、仄かに頬を染めこっくりと頷いた。

積極的で攻めの桧山さん。

だけど攻められるのは苦手らしい。


◆◇◆


食事の後は、腹ごなしに本日の営業先である某官庁まで徒歩で向かう。

オフィス街を通り抜けて、内堀通りに出ると皇居に沿って歩いて行く。

風は強いけど、よく晴れていてお堀の向こうに見える緑がとても綺麗だ。

この辺りは有名なランニングコースになっているらしく、途中で走っている人を何人も見かけた。

「何だかデートみたいだな!手とか繋いじゃう?」

桧山さんは嬉しそうにニコニコ笑っている。

「業務中です」

私はピシャリとお断りする。

まったくこの人は仕事をなんだと思っているんだろう。
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