哀し

体育祭当日


オオーディションからも2週間が過ぎて
体育祭練習も順調に進んだ。
オーディションは残念ながらほとんど三年生が選出された


今日は体育祭当日
種目は進行通りに進んでる

今は三年生の借り物競争
みんな最後の体育祭だからか意気込んでる


「まなみ!まなみ!お前ちょっと来い!」
「へ?先輩どうし…」
「いいから黙って借りられろ!」

唐突にほほえましく競技を見てた私が競技に参加しなくてはいけなくなった



先輩に手を引かれて走る私。

係の人が紙を確認して質問する

「借りてきたのは?」

「茶髪!」

みごと一位になった先輩と台を降りて歩く

「茶髪ならいくらでもいるでしょ。」
「だって俺お前の色が一番好きだし。」
「なにそれ。」
「なにで染めてんの?」
「地毛だよ。」
「へ~だからこんな自然なんだ。」

そういって私の髪を掴んで遊びだす先輩
それと同時に繋がれていた手は離された

なんだか名残惜しくなった


「飲み物飲む?今なら俺の奢り。」
「一番高い奴飲む。」
「自販機だからせいぜい150円だろ。」
「それなら3本買う。」
「それは彼氏にしてもらえよ。」
「私彼氏いないし?」
「え?じゃああれは友達か。」
「うん。」
「じゃあ寂しいお前に1本サービス。」

渡されたお茶とスポーツドリンク

「ありがと。」
「じゃあ行くか。」

そういわれて差し出された先輩の手

「どうしたの?」
「さっき繋ぎたそうにしてたから大サービス。」
「そんな顔してないし。」
「はいはい。」

私の否定を軽く流して繋がれた手
そんなに顔に出てかのかな私


というよりこの人は私の気持ちに気づいてるんじゃないだろうか


テントに向かいながらそんなことを考えていた



















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