君からのアイラブユー




むしろ恋愛は私にとっては二の次。今の私にとって恋はテストに出ないし、愛も受験にはでない。
必要か必要じゃないかと聞かれたら必要じゃないと言えてしまう。


「そ、そんなのただの理想だろ。俺だって今はこんなんでも何年か後は金持ちの社長になってるかもしれねーし……」


それなのに矢吹くんは私の言葉に一喜一憂する。

私も理想や目標は高くもっているけど全て叶うとは思ってない。そこに向けて努力は全力でやるけれど。

勉強だけが救いだった。
勉強さえしていれば良かった。

なのに矢吹くんは一瞬で私の世界に入ってきた。



「どうして矢吹くんは私のことが好きなんですか?」


思えば最初に理由を聞いたのに答えてもらえずそのままだった。

あの時は分かりやすく簡潔に、なんて言ったけど分かりにくくても長くなっても私は矢吹くんの気持ちが知りたい。


「やだ」

「……はい?」


はじめて人の返答をドキドキしながら待ったのに矢吹くんは教えてくれない。


「い、嫌とは何故ですか?そもそも付き合って欲しいと言ってるのは矢吹くんなのになんで理由を言ってくれないんですか?」

「……なんか嫌だ」

「矢吹くん。だから私はあなたのことが分からないんです。普通は何故その人のことが好きになったのか説明してから交流を深めていくものでしょう?矢吹くんの私への気持ちは伝わってます。だからせめてその理由だけでも知りたいんです」

「カッコ悪いから嫌だ」


私はその言葉にプツンと切れてしまい「もういいです」と矢吹くんとは別れてしまった。


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