君からのアイラブユー



思い出した。

私はあの日、窓が割られた日は珍しく学校に残っていたんだ。6限目のマラソンの授業が時間内に終わらなくてゴールしたのは授業が終わってから1時間後のことだった。


教室に戻って早く帰ろうとしたけど、誰も消さない黒板の落書きとか集めて提出されてない国語のノートとか私は仕方なくそれらの作業に追われていた。

結局、ゴミ出しまでやることになって焼却炉に向かう途中、バットを持って校舎裏に潜んでる数人を見かけたんだ。


その時はなんとも思わず、私はすぐに学校を出た。もうほとんど生徒が残ってない中で校門を出るタイミングが一緒だった人がいた。

私はその人をはっきりと覚えてる。

だって国語のノートを提出しに職員室に行った時、D組の先生に長々とお説教されていたのがその人だったから。



「いえ、矢吹くんを犯人にさせないですよ」


私は守られていた矢吹くんの背中を通りすぎて男達の前に立った。


「いくら証拠を残しても噂を流しても私の目はごまかされません」


あの日、私は矢吹くんが帰る姿を見た。そしてバットを持っている上級生達も。

確かあの時「後藤」と聞こえた。



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