月、満ちる夜に
見れば見るほどごく普通の青年にしか見えないのだ。
夜ならなおさら怖いはずの幽霊なのに、怨念とか祟りのようなどろどろした感じがしない。
伊達君への不可思議な感覚はとりあえず脇に置いて、わたしは気になっていることを訊くしかなかった。
「あなた、なんなの?」
正体不明の彼に問うにはずいぶん曖昧な言葉だけれど、幽霊や地縛霊、表現できない得体の知れない彼に適した言葉がうまく見つけられなかった。
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