涙雨
泣き止むなり、あたしは今までのことを全て悠に話した。
10年前、父親が死んで母親が変わってしまったこと。
あたしがバイトをする理由。
母親から受けた暴力。
こんな事、誰にも言うつもりなかったのに。
悠になら話してもいい気がして。
悠は全てを聞き終わると、黙って何かを考えた様子だった。
そりゃそうだよね。
こんな重い話されて平気でいれる人なんていない。
「…ごめんね悠。こんな話きいてもらって」
悠はまだ口を開くことはなかった。