かわらないもの。



「けど、俺の好きとお前の好きは、違う」

彼の紡いだ言葉の意味を理解するのに、時間はかからなかった。


彼は私のとても大切な人。彼は私の絶対的な存在で、彼がいない日々なんて考えられない程に彼は私の唯一無二なのだ。もしかしたら、それはきっと依存に近いのかもしれない。

けれど、これは紛れもなく彼が好きということで。まして、好きなんて言葉じゃ表せないほどに。けれど、それが彼の言ったように、彼と私の好きが違うのか私にはわからなかった。


私は何も言えずに、何度も首を横に振った。鼻の奥がツンっとして、思わず顔を俯けた。

そんな私のすべてを解っているのか、彼は静かに、壊れ物に触れるかのように、私の頭をそっと撫でる。


「...泣くなよ」

そう言われて、否定しようと言葉を紡ぐ前に、私の涙は次から次へと零れ落ちた。


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