without you
『久遠社長の秘書の仕事をしたいんです。続けられる限り、続けたいんです』

そう津島さんに言ったのは、今の私の本心だ。
いくら好条件の話を持ってこられても、それでも私の両天秤は、まだ久遠社長の方に傾いていた。

久遠社長の秘書になって4年。
いつでも仕事を辞めていいという気持ちは、まだある。
でも、そんな中に、「辞めたくない」という気持ちも芽生えていた。

もしかしたら人はそれを、「忠誠心」と呼ぶのかもしれない・・・。

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