without you

朝から、何でもないことで「おい木戸ー」と社長に呼ばれることもなかったおかげで、私の仕事はスムーズに進んだ。
それだけで気分が上向きになるのは不思議だなと思いながら、何となく左手首につけている時計に視線が行くと、なぜか針は、もうすぐ７時のところを指している。

パッと腕時計を見た私は、「あれ？」と呟きながら、今度はじーっと見た。
・・・それでも針はもうすぐ７時のままだ。