without you
ホッとしたのも束の間。
私はまた、別の意味でドキッとしてしまった。

私に引き抜きの話があったことを、社長は知ってるんだ・・・。

「てことはー。おまえはここを辞めない、ということだな?」
「・・・辞めません。けどあの、この話は断ったし、社長はご存知ないと思っていたから、報告する必要はないと思っ・・」
「木戸」

遮るように私の名を呼んだ社長が、やっと私の方を見た。

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