without you
でも、これくらい重たいと、手首を鍛えるのにはいいかもしれない。
それより、社長の腕時計は、私にはサイズが大きすぎるから、これをつけてタイピングしてたら、肘近くまでずり下がるだろう。それは使いづらい。
かと言って、腕時計を机の上に置いてたら・・・やっぱり気になって、そこをチラチラ見てしまうと思うし。

「そっか。じゃあ俺行くな」
「あぁはい。行ってらっしゃい」
「木戸さんっ。後は私ひとりで大丈夫なので、木戸さんもお仕事に戻られてください」
「あ、じゃあ」
「ヘルプありがとうございました!」と朗らかに言う立川さんに押されるように、結局私は社長と一緒に、営業エリアを後にした。

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