without you
「トモちゃんはセンスいいですね・・・あ!これ、コナコーヒーだ!嬉しい!」
「それは俺が選んだぞ」
「そうですか。社長。わざわざお土産を買ってきてくださって、ありがとうございました」
「いやいや。トモちゃんがな、“あみかちゃんにおみやげ買おう!”って言うからさー。ま、喜んでもらえてよかったよ」
「トモちゃんには、あとでお礼の電話をかけます」
「おう」

正面に立っている笑顔の社長を、私は上目遣いで見ると、静かに笑みを浮かべた。

「・・・あ。社長、そろそろ年始朝礼のお時間です」
「そーだな。下行くか」
「はい」

私は、ハワイみやげが入った紙袋を、自分の席の目立たない場所へ置くと、社長と一緒に社長室を出た。

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