without you
「失礼します。社長、終わりました」
「もうできたのか!」
「社長が今すぐ着る分だけです。あ、社長。まだスイッチ入れてるので、アイロンには触らないでください」
「へーい」と社長は言いながら、ハンガーにかけていたワイシャツを取ると、それをサッと羽織った。

そして社長は、「どうだ?似合うか?」と、私と有馬部長に聞きながら、小さなワイシャツのボタンを留めている。

と思った次の瞬間、社長はベルトを外し始めたので、咄嗟に私は後ろを向いた。

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