without you
「ところでおまえはー」
「えっ?」
「弟がいるんだっけ」
「・・・妹、です。彼女さんと勘違いされてませんか」
「してねえよ!ただ」
「何ですか」
「やっぱりなと思った」
「は?」
「おまえは弟か妹がいる、一番上ってタイプだからな」
「・・・そうですか」
「褒めてんだぞ。しっかりしてるって印象を受ける」
「ありがとうございます」
「だがな、何でも一人で抱え込んで解決しようとするんじゃないか?」
「そ、そんなこと・・・ないですよ」
「そうか?その点、俺は真ん中だからな。きょうだいの4人からは“要領いい”と言われる」と社長に言われた私は、声は出さずに顔だけ笑った。

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