without you
「調子はどうだ」
「え?あ・・・もう大丈夫です。ありがとうございます。お昼も」
「おぅ、届いたか。よしよし。何食べるのかは後で聞くとして、だ。昼戻れなくて悪かった」
「え?」

あ。そういえば。
社長は12時前に帰社する予定だったよね。
自分のことで頭がいっぱいで、社長のスケジュールを忘れていたことが、大さじ2杯分くらい、申し訳なく思った。

「ミーティングが長引いてさ。そのまま大学に移動中だ」
「そうでしたか。それで、帰社時間の変更はありませんか」
「渋滞に引っかかって少し遅くなるかもしれねえが、たぶん大丈夫だろ」

・・・ということは、夕方6時まで、社長室(ここ)にいるのは私一人。
午後の間にそっと会社を出て、「退職」することもできる。
これはチャンスかも・・・ううん、チャンスだ。

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