without you
私は、隣にいる社長をまじまじと見た。
社長は、端正な顔をキリッと引き締めた真剣な面持ちで、私を見つめている。

「今度は俺が、おまえを絶対護り抜く」
「しゃちょ・・それは・・・」
「だからおまえは俺のことをもっと信頼していい。いや、もっと信頼してくれ」

『俺なら“盾のようにそいつを護る”で終わんねえ。護って、絶対護り抜いて、そいつのこと抱きしめる。離さないように。そいつの信頼をもっと得るために』

これって・・・社長が今、ここで、“絶対護り抜く”とか“もっと信頼してくれ”と言った、ってことは・・・。
社長が想いを寄せている彼女さんって・・・私、なんだ・・・。

私のことなんだ。


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