without you
「本当に。それで、両親との仲もギクシャクしてしまって。実家にも居づらくなった私は、栃木にある旅館で働くことにしました。でも・・・1ヶ月くらい経った頃、あいつが旅館にやってきて・・・」

『これで分かっただろ?みかちゃんの代わりに料理を教えることができる人は、いくらでもいるって。だが、みかちゃん自身の代わりなんて、どこにもいない。さくらちゃんは・・・まあ近かったが。キミの妹だからね、でもやっぱりキミには及ばない。みかちゃん、キミが一番だ』
『・・・あんた、私の妹に何をしたの』
『知ってるんだろ?でもさくらちゃんとは、もう別れた。やっぱり俺には、みかちゃんしかいない。キミが妬く必要なんて、もうないんだ』
『やめてよ!私は、もう二度と、あんたなんかとつき合う気はない!帰って!二度とここには来ないで!』
『俺は諦めないよ、みかちゃん。キミのことを愛してるから』
『いや。やめて・・・もうやめて!』
『俺たちは、離れられない仲なんだ・・・』

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