without you
・・・不思議だ。
彼曰く、「華奢」な私が、こんなに大柄で強そうな人を、いとも簡単に翻弄しているなんて。
でもそれ以上に、自分の反応と欲望を、恥ずかしがることもなく、素直に表現している純世さんは、とてもカッコよくて、やっぱりセクシーだと思う。
と私が思った次の瞬間。
純世さんに手を掴まれた。

「もういい。俺、やべーから。ホントにマジでもう・・やばいとこまで来てんだ、俺」
「え。いいじゃない」
「いーや。これ以上はダメだ」と純世さんは言いながら、私と体勢を逆転させて。
今度は彼が上になった。
マットレスが裸の私を受け止める。
そして私たちは、満足気な息を吐いた。

「なぁあみか」
「はい?」
「俺、子ども欲しいな。俺たちの子ども」
「・・・うん」
「何人欲しい?俺は・・・3人かな」
「え。多い」
「だがな、きょうだいいる方が、絶対いいって」
「それは・・うん。私も賛成、です。だから・・・2人」
「少なくとも、だな」

純世さんに突かれるリズムに合わせて、私の口から「あっ」という悦びの声が漏れ出る。
純世さんが私の中から出し入れするたびに、快感が増していく。
これはただ、子どもを作る行為じゃない。
まさに、愛を創っている、「ラブ・メイキング」。
この人を愛してる。この人に愛されてる。
そんな気持ちが、私の全身と心、全てに満ちて・・・。
私は、絶頂を迎えて震える体で、純世さんを抱きよせた。
彼の荒い息遣いが、私の耳を、熱くくすぐる。
それでも私は、自分を押しつけるように、彼を抱きよせた。

「重いだろ」
「いい・・」
「俺、汗かいてるぞ」
「いいの」

だって、離れたくないから。
「愛してるよ」と彼が囁く、このかけがえのない一瞬に、幸せを感じたから。

< 624 / 636 >

この作品をシェア

pagetop