without you
イケメン社長が秘書を募集。
しかも性別・年齢・経験は問わずで、給料の額もかなり良い方だとくれば、応募者は殺到するに違いない。特に女性が。

社長秘書なんて、今まで一度もしたことがないけど、貯金も底をつきかけている上、期間限定のアルバイトも先週終わってしまってただ今職探し中の私には、次の新しい仕事が必要だ。
別に久遠さんがイケメン社長でなくても、この条件は魅力的だし。
それに、この場所なら、ここから電車1本で行ける距離。
・・・ますます惹かれる。ぜひゲットしたい!

とにかく、ここがダメなら次を探せばいいだけのことだ。
でも、職探しに疲れていた私は、ここで決めたいと強く思った。

気づけば私は、静かな一室にキーボードを打つ音をカチャカチャと響かせて、「A-spade」へ送るウェブ履歴書を夢中で作成し、送信していた。

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