魂‐soul‐
湊を先頭に、四人は歩き出した。

あてもないまま歩くこと数十分。

だいぶ奥の方へ入ったはずだ。

印のロープは絶えず巻きつけている上、頭でも今まで通って来た道を覚えている。
 
「本当、何もねぇじゃん」
 
道端に落ちていた長い木で左右の草をかき分けながら武流は不平を漏らした。
 
「何かあった方が問題だけどね」

 一番後ろで、ただついてくるだけの雅が言った。
 
「ところで、どうやって二人は知り合ったん?」
 
湊の後ろで、朔馬が武流の方を振り返った。
 
「あぁ。雅先輩がこの前、俺のバイト先に客として来たんだよ」
 
武流の言葉を引き継いで雅が続けた。
 
「そうしたら話しかけられて。少し会話を交わしたら意外と息が合ったんだ」
 
朔馬は訝しげそうに武流を見た。
 
「そんなん聞いたことないで」
 
「今日驚かそうと思って」
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