魂‐soul‐
「父さん…安らかに眠ってや」

そっとケースを開けると、白い魂は蝶のように舞いあがった。

そして空の中へ溶け込んだ。


帰り道。

武流を担いでもと来た道を辿った。

あの後一旦館へ戻り、初めに取り上げられたリュックを見つけた。

丸半日ここにいたのだ。

人生で最も長く短く感じられた半日。

キツネにつままれた気分だ。

母さん心配しているだろうなぁ…とか思いながら、目印に沿ってひたすら歩いた。
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