魂‐soul‐
綺麗な文章が浮かび上がった。

この紙は電卓に打ち込む数字を示しているのではない。

その数字の在りかを指しているのだ。
 
「よっしゃ!」

先が見えてきた。

「あ、でも……」

得意気になっていた湊は考え込むように手を顎に添えた。
 
「どこから見た左なんや?」
 
確かに今立っている方向を基準としても向きを変えれば左も変わる。

全てのパネルを引っ繰り返す手もあるが、それでは起爆装置を刺激しかねない。

湊は秋人に一回限りのヒントをもらおうかと考えた。

だが、問題はどう質問をするか。

両側の壁を指差して「左はどちらか」と聞けばパネルは二つまで絞れる。

しかし逆に言えば二つまでしか絞れない。
< 48 / 170 >

この作品をシェア

pagetop