魂‐soul‐
「お~。押したのか」
 
他人事のように蔵人はモニターに目をやった。
 
「お前ら、開けてみろよ」
 
蔵人は出口である襖を指差した。
 
「やつのスイッチが正解だったら、開くぜ」
 
雅と朔馬はゆっくりと襖に近づいた。

「開けるよ」
 
心配そうに眉を下げる朔馬を尻目に雅は襖を開けようと手に力を込めた。
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