俺様な狼上司に迫られて!





-----その一方 サユリの方は…








「---え?今から駅前?」





私は家に着いてしばらくしてから
電話をしていた。


相手は、大学の先輩。


…って言っても、昔からの幼馴染なんだけどな。




家が近所で、小さい頃から知っている男の人。

私より3歳年上だから
大学も1年しかかぶってなかったけど。






「んなの急すぎるっての。」

『とか言って来てくれるのがサユだろ?
1人で暇してんだって。お願い。』





電話の向こうで
少し弱々しく願い出てくる彼。

…ったく、昔から
こーゆー態度だけは一丁前に上手いんだから…。






「はぁ…わかったわかった。
今から行くから待ってて。」





なんて

うまく彼の言う通りになっちゃってる
私も私だが。





----------ピッ






そう思いながら電話を切って
私は支度を始める。


時刻はもうすぐ8時。


…こんな時間に駅まで行くのかぁ
と何だか面倒臭くなってくるが

まぁ仕方ない。





(……部長だったら…)






もし電話の相手が部長だったら…

きっと迎えに来てくれるんだろうけどなぁ…。







………。







(…っておい!!!)




あの人が来れば…

なんていう甘い展開になるか!!
違う違う違う!!


これは、だな…その…



いつも部長がこんなことしてくれるから、つい!そう、つい!だ!!





(…早く行こ。)






変なことを考え始める前に
早く家を出よう


そう思って私は家の鍵を待って
玄関を出た。








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