お嬢様の秘密III
「失礼いたします。紅茶をお持ちいたしました。」


「ありがとう。あれ、お母様。女性のお世話係をお付けになられたのですか?」


洗練された動作で紅茶を飲みながら、渚に目を向けた。


「違うわ。こちらは私の親友でこの4月から学園長をやってもらう増井渚よ。」


「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」


「失礼いたしました。私、秋本真理亜です。座ったままでのあいさつで申し訳ありませんわ。」


渚に向けていた鋭い視線を一瞬でやわらげ、社交用の笑みを作った。


「学園長ということでしたらSランクを保持している私たちに会う機会が多いと思いますわ。まあ...Sランクの特権を使うことが多いと思いますが...。」


真理亜はあの後、自らなくした自由登校の権利を復活させた。


少し学校の制度も改革し、Sランクが認められている人数を5人から8人から10人までと門徒を広げた。


真理亜と私が会議で提唱したことだから文句は言えまい。


「学園のことは私より真理亜様、生徒の方が知りつくされていると思います。ご協力を仰ぐ時はどうぞご協力してくださいませ。」


渚は真理亜の前でまっすぐに立ち、しっかりと腰を折った。


...やっぱりマナーレッスンとか礼儀作法を覚えてもらわなきゃ...。


「渚さん、私は一生徒ですから。様付けはやめてくださいな。」


なんか真理亜も...育てられた環境から高慢がちな態度を取ってるような印象があった。


みんな、この2年間で成長してる。


頬杖をつきながら二人の様子を眺めていると、生まれて間もない子供...莉絵が泣き始めた。


「渚、真理亜。そんな堅い話はもういいでしょ。莉絵泣いちゃったわ。」


「「ごめんなさい」」


一瞬の間があった後、私たちの間には笑顔が広がっていた。






-莉依紗side end-
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