お嬢様の秘密III
結果数十分探してもアルバムおろかお祖母様の形見の品まで全て無くなっていた。


仏壇もバチあたりにならないように調べたのに。


ただ事ではないと感じた私たちはすぐに内密にお祖父様を呼んだ。


「………この部屋に全て納めてあるはずだぞ?ユリたちのアルバムも一緒にな。」


私のものも?


でもそんなものどこにも………。








「まさか誰かに取られたとかではございませんよね?」


誰も発言できない重苦しい空気の中、玲央がそっと口を開いた。


「まさか。ここの部屋を知っているのは数少ない。ユリですら入ったのは2度目だろ?」


「はい。お父様。でも、気がかりなものは発見したの。」


私は探しているときにふと見つけたものをみんなに見せた。


「これはなんじゃ?ユリ、思うことを言うてみよ。」


「この傷はピッキングの後じゃないかと。」


私が見せたのは、唯一鍵のついていた引き出しの鍵を刺すところ。


この引き出しはA4サイズ以上のものでも裕に入る大きさ。


「りいならこの手の類は得意そうだな。そのりいにある程度知識を吹き込まれたユリが言うんだから信憑性は高い。」


お父様も納得してくださったみたい。


「莉依紗は今臨月だから……。辰彦を呼んで内密に調査を進めよう。」


辰彦お祖父様なら大丈夫だもんね。


「今日はも帰った方がいいだろうな。ユリ、またすぐに呼び出すからな。」


「はい、お祖父様。」


こうして私たちはお祖母様の部屋を後にした。






帰りの車で夏菜が悩んでいたけど、その理由は私には分からなかった。


-ユリside end-
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