“Please don't disappear, love.”
先生はにっこり笑うと、空を眺めた。



青く澄んでいた空が、夕日に押されて、赤く染まる。


夏の夕暮れは好き。



全然、寂しくなんかならない。



冬の夕暮れは嫌い。



夕方と夜になる境目が余りないから、寂しい。



より一層早く、一人になる気がするから……。



「先生、何をしてるの?」



「え?たまにはシャボン玉でも吹いてみようかなと思って…」



先生は空を眺めながら、窓際に寄りかかり、シャボン玉をぷかぷかと浮かべた。



「間接キスだぁっ…」



「こんなのどうって事ないでしょ?早く解きなさい、お子様♪」




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