怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】
愛してる。夢みたい


瑛太は仕事でちょこちょこ家を空けたが美祈とはメールや電話でコニュニケーション。


5階と3階、物凄く近いのに恋愛初心者と久しぶりの恋愛者


相変わらずこれまでのライフスタイルを崩す事なく生活をする。



「普通、いつも一緒にいたいとか言わないか?」


「言うな」


「大して好かれてねぇんじゃね?」


「おいっ」


揶揄ってはみるものの柊哉は実はとってもこのスタイルが羨ましい。


「おい、飯一緒に食うか?」


平日でも誘いの連絡をいれると


「は~い」


お皿におかずを乗せてやってくる。


上司である柊哉が1人になる事がないように美祈も自宅への瑛太だけを誘う食事は一度もない。


「俺、気を使われてんのか?」


「あいつから見ても淋しい男なんだよ」


言っても聞いても気にも留めない。



「忙しい?時間があればちょっとだけでも話したい」


そんな事を言われたら瑛太はすぐに飛んでいく。



主婦と主夫のようにスーパーで一緒に買い物をしたり


瑛太の撮影について行ったり


話題になっているどこどこへ行きたいと美祈が言うこともなければ寄ってみるかとデートスポットへ行く事を瑛太も拒まない。



だが、階段を上がるという事をこの二人は忘れちゃってるんじゃないかと柊哉の方が心配になる。


美祈の事だ。


コトが進めば次はウィッグとって出勤した方がいいか悩む姿見えるはず。


だがその様子はない。


座敷童の存続は嬉しい。



しかし、マコに対してひな鳥を抱きしめているようだった自分の感覚を思い出すと瑛太が心配になる。



あいつもそうなのか?






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