第二秘書は恋に盲目
「おい。

おい!そこの小学生」

ざわざわとした病院の中で、私に向けられてるかもしれない微かな声に気がついた。振り返ってみるとそこには、野球のユニフォーム姿の男子が2人。1人はキャッチャーの松井。ってことは、もうひとりは明石だ。

「頼みがある。ここからあっちの廊下の隅まで大声あげながらダッシュしてきてくんね?
ほら、飴やるから。

訳あって、あっこにいる中年の医者の目をあの病室から逸らしてーんだ」

…ようやく戻ってきたのか、この人。それで、遅れたことを金子先生に誤魔化すために、こっそり病室に戻ると。

…。私を利用しようとしてんじゃないわよ!
この高校生にも腹が立ってきた。
< 260 / 334 >

この作品をシェア

pagetop