第二秘書は恋に盲目
そんな千歳に兄貴はちらっと目を向けた。どんな感情を抱いてその目を向けたんだろう。
でも千歳は敏感にそれに気付いたのか、すぐに顔を反対方向に向けた。

…やっぱりこの二人、何かあんのかもしれない。

気になる。
父さんと母さんに探りを入れてみるか?いや、あの二人は鈍いだろうから何も知らない確率が圧倒的に高い。

直接聞くしかないか。今はよく観察して、タイミングを待つしかない。

「孝宏ってあんまり自分から人と関わろうとしないでしょ?それでお医者さんなんて勤まってんのかしら。
母さん心配だわ。
千歳ちゃんもそう思わない?」

「あぁ、それなら大丈夫ですよ。意外と良いお医者さんです」

え?
千歳がそんなこと言うなんて不自然だ。
千歳は、病院で兄貴が医者やってるところを見たことがあるってことなのか?
< 275 / 334 >

この作品をシェア

pagetop