第二秘書は恋に盲目
よしよし。メール送ったし、15分くらいしたら笠原は私を連れ戻しに来るはず。それまでに須藤先生を探しておかないと。

少し歩いて回ると、すぐに須藤先生が見つかった。もう白衣を脱いでるから、そろそろ帰るはずなんだけど、相変わらず女性の患者さんや見舞いに来た人に囲まれている。

「また須藤先生に会いに来たのー?
見ての通り、今日も人気者よ」

そう話し掛けてきたのは八田先生。噂によると、須藤先生に告白に似たアピールをしたけど、笠原の名前を出されて意気消沈したんだとか。
それでも、諦めていないというか、こうやって熱い視線を送ることは止めてないみたい。まぁ、須藤先生が上手く受け流してるから笠原も文句はないみたいだけど。

「人気者なのは知ってるよ。
でもそんな須藤先生のハートを射止めたのは笠原なんだよねー」

「あのふたり、本当に付き合ってるのー?全然デートをしてるようには思えないけど。須藤先生忙しいし」

「デートかぁ…。その辺は私も心配してるのよねー」

笠原も最近忙しい。ホテルにばっかりいる気がする。泊まることもあるみたいだし。

ふたりは会えてんのかな、なんてこっちが不安になる。
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