君の嘘を知らなくて(仮題)









「今の桜太からは想像つかないだろうけど、昔は人見知りが激しい子でね」


「え?」




…想像出来ない。

あの桜太が人見知り?




「上手く周りの子と溶け込めなくて、休み時間とか1人で過ごすような子だったんだよ」


「い…意外、意外すぎる!!」




あの皆に囲まれ、ファンブックまで出来上がっている桜太が1人?

意外すぎて信じられなかった。




「だけど中学生になって、それは変わった。
周りの子たちと、突然上手く接することが出来るようになった」


「どうしていきなり……」


「中学に入学した時知ったみたい。
自分の顔と成績と運動神経があれば、人は寄ってくるって」


「…確かに、イケメンで成績優秀でスポーツ万能なんて、まるで漫画に出てきそうな人が現実にいたら、放っておかないよ」


「それ以来、顔と成績面とスポーツ面で上手くやるようになってた。
同時に外面しか見ないんだってことも学んじゃって」


「それで裏表を使い分けるようになった……」


「そう」





周りに人がいないのも寂しくて駄目だけど、

だからと言って人を騙すようになるのも…どうなんだろう。








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