君の嘘を知らなくて(仮題)







あたしは簡単な、4つ合わせるとクローバーの形になるマグカップを購入した。

あとはカラフルな、紙で出来た壁にかけることが出来る飾りも一緒に。




「ありがとうございましたー!」




満足気分で袋を持ってお店を出ると。

先にお店を出たはずの望月くんが立っていた。

彼女との待ち合わせかな?と思っていると。




「あっ河西さん」


「望月くん?」




あたしの傍に来た望月くんは、あの笑顔で「どうぞ」と飴玉を渡してくれた。




「あげます」


「え?」


「さっき、アドバイスをくれて助かりました。
これはほんのお礼です」


「えっ……!」




どこまで紳士、っていうか女子力高いな!




「それじゃ」


「あっうん!」




飴玉は、あたしの大好きなブドウ味だった。

あたしは幸せな気分で、飴玉を口に放り投げた。






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