君の嘘を知らなくて(仮題)










「うぅ……」


「どうしたの朝っぱらから。
踏まれたボロ雑巾みたいだよ」


「ボロはやめろせめて雑巾にしろ」


「雑巾で良いんだ」




目の前の親友・胡桃はのんびり朝から棒付きキャンディーを舐めている。

優雅なものだ。




窓際1番後ろ。

そこがあたしの席。

胡桃はあたしの隣の列の1番前。





「……ん?」




入ってくる時は気が付かなかった光景に、あたしは目を見開いた。

何それ…どういうこと?





「ねぇ胡桃、望月くんっていつ来たの?」




教室でさすがに桜太くんなんて軽々しく呼べない。




「望月くん?1番最初だよ。
私2番目だからね」





……何ですと?








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