君の嘘を知らなくて(仮題)









お餅のことで頭いっぱいになりながら、あたしは公園に辿り着く。

家までは5分もかからない。

家に帰ってお餅食べたいんだけど…。




ベンチに座ってもちもちを待つ。

するとマナーモードを解除したスマホが、ポンッと鳴った。

……ハインだ。




<望月桜太>




もちもちからだ。

何の用事だろ。




<はろ。元気?>




…またこれから始まるの?

さっきはやほ、だったけど。

大体はろ、とかやほ、って何?




<元気だけど?>


<今どこ>


<公園>


<ちょっと遅れる。
待ってて>


<必ず行くから>





…必ず行く…から。

よっぽど大事な用事らしい。






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