君の嘘を知らなくて(仮題)









「今日は早く下に来いよ」


「はいはい。
開ける時はノックしてね」


「わかってる。
二度も謝罪するもんか」




…気にしてんだろうなぁ。




「早く下りて来いよ」


「わかってまーすよーだ」




あっかんべー、としてから扉が閉まったのを確認し、あたしはさっさと着替えて下に向かった。

今日はさすがに、昨日みたいなヘマはしないよ。




「おはようお姉ちゃん、風太さん」


「おはようアヤメ」


「おはようアヤメちゃん」




だいぶこの生活にも慣れてきたかも。

もちもちって存在をなくせばね。





「ご馳走様~!」




変わらずパンを食べ、あたしは立ち上がった。









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