愛の歌、あるいは僕だけの星

「ねえ、誰なの?銀也君、教えてよ」

「……関係ないだろ」

「関係ないわけ、ないじゃん!」

 静寂を引き裂くような声で、彼女が叫んだ。

「じゃあ、……何の関係があんの?俺と三原さんに」

「こっちが聞いてるんだよ!何の関係があるの!?銀也君と夏って子に!」

 彼女の切羽詰まった問いに、思わずたじろいでしまう。答えたいけれど、どうしても答えられない。だって、自分にも分からないのだから。

「夏って、銀也君の彼女?それなのに、私とこういうことするつもりだったの!?」

 指先から冷えていく。こんなやりとりは初めてではなかったけれど、耳を塞いでしまいたいと思ってしまうのはどうしてだろう。

「銀也君、最低だよ!どれだけ、踏みにじれば気が済むわけ?だったら最初から、夏を抱けばいいじゃない!!」」

 そう、三原が怒鳴った瞬間、反射的にその場にあった彼女の上着を投げつけていた。
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