愛の歌、あるいは僕だけの星

 口を尖らす三原に、そんな無茶なと思いつつ、思わず笑いが漏れる。もっと、ゆっくり。けれど、本当にその通りだ。

 まっすぐに空を見上げる夏を見る。
 時間を止めることなんて、そんな大層なことできっこない。だからせめて、少しでもゆっくり時間が流れてくれればいいのに。そんな願いを待ってくれることなく、もうひとつ星が流れて消えていった。
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