オークション
「委員長なら、きっとそんな仕事に付けるよ」


あたしは自然とそう言っていた。


嘘じゃない、本心からの言葉だ。


「うん。あたしもそう思う」


藤吉さんもあたしの意見に賛成する。


「なんだか照れちゃうね」


委員長はそう言って、頬を染めた。


「北川さんは、海外へ行くの?」


自分から話題をそらすように委員長がそう聞いて来た。


「あたしは行かない」


すぐに否定し、首を左右にふるあたし。


国内の大会で一千万の大金を手に入れられたら、後は自由な生活ができる。


「でも、もったいないね」


委員長が眉をㇵの字にして言う。


「そうかな? 大きな大会なら国内でも沢山あるし、国内だけで頑張ってる選手もいるでしょ?」


「それはそうだけど……」


「あたしは、世界を目指す事を推薦する」


藤吉さんが横からそう言って来た。
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