オークション
あたしはその布の端をつかみ、それを床へ落とした。


布の下から、透明ケース内で冷凍保存されている脳味噌と心臓が現れた。


「藍那、久しぶりだね」


あたしはその2つに声をかけて、ニッコリとほほ笑んだ。


才能に溺れて腐敗した親友に、こんな形でまた会えるとは思っていなかった。


藍那が購入した《ミス日本の顔》の代金が未払いのため、こうして藍那自身が商品としてオークションで出品されることになったのだ。


藍那のご両親はまだ藍那は行方不明なのだと思い込んでいるようだけれど、そう思い込んでいる方が幸せなのではないかと思う。


自分の娘の脳味噌と心臓がこんな場所にあるなんてわかったら、とても正常な精神状態を保っていられないだろう。


「今日の商品は《美少女マラソン選手、彫刻家、北川藍那の脳味噌と心臓》ね。これ商品名を短くできないかなぁ? 噛んじゃいそうだよ」



あたしはそう呟き、藍那に背を向けて仕事へと戻ったのだった……。







END
< 274 / 274 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:176

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

悪霊配信アプリ

総文字数/13,667

ホラー・オカルト50ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「悪霊配信アプリ」 教室に居場所のない茉莉はいつものメンバーと授業をさぼっていた。 が、仲間のひとりの行動により茉莉が裏切者扱いされることに 学校に居場所がなくなった茉莉は突発的に歩道橋から飛び降りようとするのだけれど…?
めじるしチャームの怪

総文字数/28,020

ホラー・オカルト110ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
今大流行のめじるしチャーム だけどそれにも怖いお話があるって知ってる? あなたが持っているそのめじるしチャームは 本当に大丈夫なものかしら?
ハル

総文字数/50,377

青春・友情186ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
田舎の祖父が亡くなった 大きな家の片づけをするためにそこを訪れたのだけれど 祖父が残してくれたポンコツロボットが置き去りにされていた あんたも私もポンコツ ポンコツ同士仲良くしようか

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop