オークション
入賞
シャワーで汗を流すと少しはサッパリして、ようやく体の重たさが抜けて来た。


時刻はまだ4時前だけれど、もう眠れそうにない。


あたしは自室に戻ってスマホを確認した。


さっき時間を見た時に何件かメールが届いていたのだ。


「エレナ……」


それは昨日早退をしたあたしを心配した友達からだった。


特にエレナは、大丈夫かと心配する内容から授業のノートは見せてあげるから心配いらないという内容まで、長々と書いてくれている。


これだけでも本当にあたしの事を心配してくれているのが伝わってきて、胸が痛くなった。


あたしは友達に嘘をついてまでオークション会場に行ったんだ……。


それが、今更になって罪悪感として押し寄せて来る。


あのオークションは普通じゃない。


絶対に行かない方がいい。


そんな事わかっているのに、どうしても行きたいと言う衝動を抑える事ができなかった。


あのオークションに行けば夢を買う事が出来る。


絶対に無理だと思える夢でも、叶える事が出来る。


それは今まで人間が願って来た事だ。


あたしはスマホを閉じてベッドに横になった。
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