オークション
☆☆☆
ノートを写し終えて、エレナに勉強方法を教えた時、ちょうどホームルームが始まるチャイムが鳴りはじめた。
藤吉さんの机に群がっていたクラスメートたちが、少し残念そうな顔を浮かべて自分の席に戻って行く。
数か月前までは全く目立たない生徒だったのに、今では学校1の人気者だ。
「みんなおはよう!!」
元気のいい挨拶と共に、担任の松田大和先生が教室に入って来る。
まだ20代後半で、なかなかのイケメンなので生徒に人気のある先生だ。
そんな先生も最近ではずっと藤吉さんの絵について話すばかりで、あたしとエレナは面白くない思いをしていた。
松田先生の事が好きなワケではないけれど、1人の生徒にばかり気をかけている姿に嫌気がさすのだ。
しかし、松田先生はそんな事に全く気が付かず、今日も藤吉さんの話を始めた。
「今日はみんなに報告があるんだ!」
松田先生はいつも以上に高いテンションでそう言った。
「なぁにぃ?」
先生のファンである女の子たちが一斉にそんな声を上げる。
「実は、藤吉さんの絵が大きなコンクールで大賞を受賞した!!」
松田先生はそう言い、そのコンクールの名前を黒板に大きくかき始めたのだ。
なんだ、またそんな話か……。
そう思っていたが、黒板に書かれたコンクール名にあたしは大きく目を見開いた。
ノートを写し終えて、エレナに勉強方法を教えた時、ちょうどホームルームが始まるチャイムが鳴りはじめた。
藤吉さんの机に群がっていたクラスメートたちが、少し残念そうな顔を浮かべて自分の席に戻って行く。
数か月前までは全く目立たない生徒だったのに、今では学校1の人気者だ。
「みんなおはよう!!」
元気のいい挨拶と共に、担任の松田大和先生が教室に入って来る。
まだ20代後半で、なかなかのイケメンなので生徒に人気のある先生だ。
そんな先生も最近ではずっと藤吉さんの絵について話すばかりで、あたしとエレナは面白くない思いをしていた。
松田先生の事が好きなワケではないけれど、1人の生徒にばかり気をかけている姿に嫌気がさすのだ。
しかし、松田先生はそんな事に全く気が付かず、今日も藤吉さんの話を始めた。
「今日はみんなに報告があるんだ!」
松田先生はいつも以上に高いテンションでそう言った。
「なぁにぃ?」
先生のファンである女の子たちが一斉にそんな声を上げる。
「実は、藤吉さんの絵が大きなコンクールで大賞を受賞した!!」
松田先生はそう言い、そのコンクールの名前を黒板に大きくかき始めたのだ。
なんだ、またそんな話か……。
そう思っていたが、黒板に書かれたコンクール名にあたしは大きく目を見開いた。