神恋~水神様に恋をした~
■第12章
◇◇◇
結局、私は屋敷に戻った後もうまく話をそらされてしまい
私をどう思っているのかを聞くことは出来なかった。
今まで白のお気に入り席の1つであった縁側は今じゃ私の定位置になってしまっている。
ここから眺める月はとても美しい。
この世界に人工的な光と言う物が存在しないが故、夜空は星と月が綺麗に輝く。
月と水は相性が良いからか、こうして眺めると落ち着くんだ。
そして、どこからか入り込んでくる女の人の声。
詩(うた)を詠んでいるようだった。
それは、私も良く耳にする「百人一首」。
「 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む 」