神恋~水神様に恋をした~


上級妖怪って感情を隠すのが上手な者が多いし、それに秘密主義な者も多い。

話せるどうでも良い事でも明かさない。

白が最も良い例だ。
いい意味では、口が堅いと言う事になるけど。


◇◇◇


なかなか寝付けない私は縁側で一人月を眺めていた。

ヤタガラスさんは泊まるとか言っていたのに結局帰ってしまって。


(帰るなら一声かけてくれればよいのに…)


…満月が近い。

満月と言う単語を耳にするたび、私の心臓はドクリと跳ね、そわそわしてしまう今日この頃。

なぜか分からない。

最近よく見るあの夢がどうもちらつく。
日に日にリアルになっているし、ちょっとずつストーリーが進んでいく。


妙にリアルな所が、何だか不気味だ。
あの夢の中にいる私は、まるで私じゃないみたい。

< 98 / 249 >

この作品をシェア

pagetop