さくら
「ああ…なんか本人にそう呼んでって言われて」
「くーっ。拓海もやるねー。さっき新海さ、俺とか暁丈とかみなみと喋ってるときって言ってたけど、一番楽しそうなの新海と喋ってるときだからな!」
「えーうそだあー」
「ほんとだよ!こんな嘘ついてどうすんだよ。んじゃ、俺こっちだからまた明日なー」
「また明日ー」

…それが本当だったら、どんなにいいだろう。
そう思う自分にもう驚きもしなくなってきいる。
わかってるんだ、もう。

ちゃんと話したら、皆藤くんも前向きに考えてくれた。
自分の気持ちに正直になって声に出して言えば、人はわかってくれる。
過去のことなんて全部忘れて、今だけを考えたら。

「拓海が好きです」

1人そう呟いた私だった。
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